とりあえずタイマーをかけよう

タイマーを買った。勉強用に。

スマホのアプリでもいいんだけど、設定するのにスマホ開くと、ついつい他のアプリや通知に目が行ってしまって、集中できないからだ。

近所の100均やらスーパーやらに行ってみたが、なぜかタイマーが売っていない。キッチンタイマーはあったが、それだと分と秒のボタンしかついていないので、30分とか1時間で設定するのには向いていない。

タイマーのジャンルって何だろう。勉強に使うからと文房具屋にも行ってみたが、取り扱いはなかった。

1時間以上かけて何軒か周り、やっとの思いで100均のテンキー付きタイマーを購入。しかしなぜか接続が悪く、肝心の音が鳴らない時がある。これだから安物は。

仕方がないのでAmazonでポチりましたとさ。

 

 

ポイントも使って500円ちょっと。少し割高な気もするが、使い勝手はいい。

勉強しなきゃなー、とか。読書しなきゃなー、とか考えていてもなかなか体が動かない時、一先ずタイマーをセットする。大抵20分とか30分。

スタートを押して、時間が少しずつ減っていくのを見ると、何故だか頭がすっきりして、途端にストレスなく作業に入ることが出来る。

そんで、アラームが鳴った瞬間にやめる。どんなにキリの悪いところでも、一旦中断する。そこでもう一度タイマーに手を伸ばし、10分にセット。すると不思議と手を止めることが出来て、休憩時間も有効に使いたくなる。休憩が終われば作業にも後腐れなく戻れる。

 

人生は長いし、日常は同じ毎日の繰り返しだ。だからいつもだらだらと過ごしてしまうのだけど、こうやって時間を短く区切り、残り時間を可視化していくことで、限りある時間を大切にしようという意識が芽生える。脚本術にも使われるくらい、タイムリミットは感情を引き出すことに物凄く効果的だ。

 

どうしようもなく好きな映画の一つに、三木聡監督作『インスタント沼』をいつも挙げる。その中でも、ノブロウ(風間杜夫)がハナメ(麻生久美子)に、「テンションが下がった時には、水道の蛇口をひねればいい」と助言するシーンが好きだ。

洗面台やお風呂の栓をしたまま、水道の蛇口を全開にして、そのまま自販機に行ったり食事に行ったりする。たらたらやっているとそのまま水があふれるから、大急ぎで。

良い大人二人がワーキャー慌て騒ぎながら、必死に飲み物を買いに行ったりするのが本当におかしい。それでいて本当に楽しそうな顔をするから、羨ましく感じてしまう。

 

人生を楽しむなら、タイマーをセットする。水道の蛇口をひねる。そこからだ。(1025字)